駄犬著『誰が勇者を殺したか』(2023年 角川スニーカー文庫)を読みました。

「勇者」とは何か? これは、駄犬さんによるひとつの回答です。
いやぁ、素晴らしかった。なんとも爽やかな読後感。

『誰が勇者を殺したか』は、「小説家になろう」で連載されていた、いわゆる「なろう系」のライトノベルです。
あちこちで話題になっていたので読んでみました。

―― 預言者の導きを受けた勇者、アレス。
勇者とはいうものの、彼の容姿は平凡で、剣にも魔法にも特に秀でていたわけではなかった。
魔王が討伐できれば、彼は王女と結婚し次期国王の座に就くことになっていたが、なぜか彼は王女に「ここには戻りません」と告げて討伐に旅立ってしまう。
四年後、勇者一行は魔王を倒したが、その言葉通り、彼は還らぬ人となった。
勇者はなぜ死んだのか? くせ者揃いのパーティーメンバーは言葉を濁す…… ――

実はライトノベルを手に取るのは初めてです。別にこのジャンルを避けていたわけではなく、機会がなかっただけなのですが。

「勇者」とは何か?
あとがきを読んで、ここに描かれた勇者像は、作者である駄犬さんの「こんな作家でありたい!」という理想像であり、また「こんな作家になるぞ!」という決意表明なのかなと思いました。
あとがきには「本屋大賞が欲しい」とも書かれていましたが、遠からずそんな日が訪れそうな気がします。